映画「タイマグラばあちゃん」に見る幸せのかたち

東中野のポレポレ座で映画「タイマグラばあちゃん」を観た。
http://www2.odn.ne.jp/ise-film/works/Taimagura/taimagura.htm

岩手県にある「タイマグラ」という小さな開拓地で、他の住民たちが去った後も、自
分たちだけで暮らし続ける老人夫婦(主におばあちゃんの方)を追いかけたドキュメ
ンタリー映画。

物語は淡々としていて、とくにクライマックスがあるわけではないけれど、
110分間、ずっとスクリーンにかじりついて観てしまうほど飽きさせない魅力が
あった。

ひとつは食べ物だ。
ばあちゃんは、何でも手作りする。
自分の育てた大豆からみそをつくり、豆腐をつくり、ジャガイモのモチをつくる。

スクリーンに映し出されるそれらの食べ物が、本当においしそうだなのだ。
どんな高級レストランの高級料理もかなわないだろうと思わせる。

ああ、自分もその場に立ち会って、食べ物をばあちゃんと一緒に食べてみたいと、何
度も思いながら観た。

特に豆腐がおいしそうだ。まだご主人が生きていた頃、作りたての豆腐を「冷めないうちに食べろ」とじいちゃんに持っていくシーンがある。
湯気の出たその豆腐の映像が、脳裏に焼き付いてはなれない。

ばあちゃんは毎日農作業をしているので、お腹がすく。
自分でつくった食べ物を一心不乱に食べているばあちゃんの姿も、実にしあわせそう。

人間のしあわせって、本当はこういうことなんだよな~と思う。

あとは、ばあちゃんの幸福そうな笑顔が印象的だ。
取材時は70歳後半だったのに、農作業の合間に見せるその笑顔は、
まるで少女のようにかわいらしい。

「この人はきっと、幸福な人生をおくってきたんだろうな~」
と、誰もが思うのではないだろうか。

ばあちゃんは、2002年に81歳で亡くなってしまう。

監督の瀬川嘉彦さんは、15年間おばあちゃんを追い続けた。
元NHKのディレクターだったが、取材のために退職し、ばあちゃんの住むタイマグラに移り住んで撮影を続けた。

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