エリオット・アーウィットと彼女のパワー

落ち込んでいても会ったり電話の声をきくだけで元気になれる人物というのがいる。
某カメラメーカーのHさんもそんなひとり。会うとつい楽しくて長話になってし
まう。

そんな彼女とのランチが実現。連れて行ってくれたのは、彼女とっておき隠れ家フレンチのお店だった。

私と同い年の彼女は、あどけなさが残りながらも、いつもスーツをビシっと着こなしたチャーミングでかっこいい女性。

趣味はゴルフで、以前もハワイでゴルフ三昧してきた話をしてくれた。「思いっきり買い物してきちゃったあ!」と言っても、きいてる方はまったく嫌みに感じないのがふしぎ。

エリオット・アーウィット

食べながらHさんがうれしそうに言う。
「今日、チョー楽しみなことがあって・・・」

明日からシャネルで行われるエリオット・アーウィット写真展の内覧パーティに参加するという。思わず、「え~。いいなあ」と叫んでしまった。

アーウィットは、私が写真を始めた頃、いちばん憧れていた写真家だ。ウィット
に富んだ、思わずクスッと笑ってしまう幸せの瞬間を撮った写真に、とても惹きつけられた。

こういうのこそ自分の撮りたい写真だ、と思った。けれども、最近は売れる写真にば
かり気持ちが集中して、心を動かす瞬間にシャッターを押す気持ちを忘れがちな自分
にきづいた・・・・

彼女の長い髪を見つめながら、ただただうらやましさで心の中はいっぱいだった。

べつに世界的に著名な写真家の、一流ブランド店で行われるパーティがうらやましかったわけではない。

うらやましかったのは、「パーティ参加するんで、上司には大目玉くらったけど」と、うれしそうに笑うHのパワー。

望んだものは絶対手に入れる

企業の部長格のような上役とか、シャネルのお得意さまとかしか参加できないこのパーティに、彼女はどうしてもアーウィットに会いたい一心で、必死で上司に頼み込んだそう。彼女も前からアーウィット氏のファンだったのだ。
 

以前あこがれの写真家を間近にしながら、なかなか話しかけれなかった自分を思い
出す。そんなもじもじせずに、一直線に写真家に向かっていけばよかったのだ。
「ファンなんです」とか適当なことを言って・・・。

Hは以前営業の部署にいたが、写真が好きでどうしてもカメラの部署に行きたい
と、同じように上司に必死に頼んで今のカメラの部署に回してもらった。

望んだものは何としてでも自分の手にしようというファイト。

10年後、彼女はいったいどうなっているのだろう。。。そしてそんな彼女とランチ
している自分を想像した。

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