2019-08-30

ハラール(ハラル)食品*イスラムの食のルール 

カブサの作り方 サウディアラビアの食事 saudi arabia food

サウジアラビアの国民食カブサ。

イスラムでは豚を食べてはいけないことはよく知られています。その他に食べてはいけないものはあるのでしょうか?

「ハラール食品」とは何でしょう?イスラム教徒の人をおもてなしする際には、どんな食事を出したらいい?

そんな疑問にわかりやすくお答えします。

ハラールフードとは?

ハラール/ハラル(Halal)」とは、宗教上「許された」物事のことです。(その反対が「ハラーム」(Haram)」(禁止された行為))。

つまり「ハラールフード」とは、宗教上「食べるのを許された食」のことです。

イスラム法シャリーアでは、人間の行為を5つに分けており、その中に「ハラール」(許された行為)と「ハラーム」(Haram)」(禁止された行為)があります。

ムスリムが食べられない食

①豚肉と豚由来のもの

ムスリムが食べることができないのは、まず豚肉や豚由来のものです。

・豚
・豚に由来するもの
ハム、サラミ、ソーセージ、ベーコン
ラードポークエキスが入ったもの(例:インスタントラーメン)

(参考:イスラム教徒はなぜ豚を食べないのか?

②正しく処理されていない肉

豚肉以外でも「正しく処理されていない」肉は食べられません。正しく処理するとは、「神の御名によって、神は偉大なり」という言葉を唱えて頸動脈を切って屠殺し、体内の血液を流して処理したもの

現地の肉は全てこういう処理がされていますが、日本で売られている肉はそうではないため、日本在住のイスラム教徒は「ハラールショップ」などで購入します。

ただしこれについても「豚肉でなければOK」という人もいて、考え方は人により様々。

ハラールミートとは

③酒や酒が入っているもの

お酒と、酒が入ったもの(料理酒、しょうゆやみりんなどアルコール入り調味料、洋酒入りのお菓子など)も食べられません。

絶対に避けるべきものは?

イスラム法によれば、「ハラール食品が見つからない場所では、豚肉や明らかにアルコールが入った食品以外は、健康を維持するためなら食べても良い」とされています。

ですから、豚肉や「明らかにアルコールが入っている」は絶対に避けるべきですが、それ以外は時と場合によりけり。

絶対に避けるべきは、トンカツ、豚骨ラーメン、ウイスキーボンボンやブランデーケーキなどです。

ムスリムが食べられるもの

上記の「食べられないもの」以外は、基本的にほとんどOKです。(野菜、果物、穀物、卵、乳製品、魚、豆など)

一部の宗派ではウロコのない魚を食べませんが、魚は基本的に食べるのはOK。エビも食べます。

生魚は食べる習慣がありませんが、インドネシアなどでは寿司が人気があり、一概に「寿司はダメ」とも言えません。

バターはよく料理に使われますし、卵、ヨーグルト、チーズもよく食べます

市販のお菓子で「食べられない成分が入っていないかどうか」を気にする人もいます。その場合、メーカーのお客様相談室に聞くと教えてくれることもあります。

肉やお菓子などは「ハラールショップ」で買うのが間違いないでしょう。外食では、最近はハラール認証を受けているレストランなどもあります。

なお、病気治療のためにアルコールが含まれた薬剤の処方は許可されています

ムスリムのおもてなし

エジプト料理 エジプトの家庭料理  egypt-food

エジプトの家庭料理。

食べ物については、先に書いたように考え方は様々。同じ食卓に豚肉の料理があっても気にならない人もいます。豚肉だけ避ける人もいれば、ハラール・マークのない食品には手を出さない人もいます。

事前に食べられるもの・食べられないものについて、聞いておくと良いでしょう。

おもてなしのご参考までに、現地の人がどんな物を食べているかをご紹介します。

肉料理

エジプト料理 モロヘイヤスープ

イスラム圏で最もポピュラーな肉はチキンです。その次は牛、羊など。チキンは焼き料理がメインですが、牛は野菜とトマトベースで煮込むことが多いです。

レバーもよく食べられています。インドネシアでは「サテ」という焼き鳥が人気です。甘辛いピーナツソースをつけて食べます。

イスラム教徒に肉料理を出すなら、バーベキューなど喜ばれるでしょうし、焼き鳥ならタレでなく塩で味つけしたものが良いでしょう。

魚料理

エジプト料理 魚

魚もよく食べられています。たいていはフライやグリルにして食べます。日本のように何もつけずに料理することは少なく、臭みをとるためにスパイス(ターメリックやコショウなど)やハーブ野菜などと一緒に調理することが多いです。

野菜料理

エジプト料理 サラダバラディ

野菜は生でサラダとして食べるか、煮込んで食べることが多いです。日本のように「おひたし」には、ほとんどしません。

最もポピュラーな野菜はトマトで、これも煮込み料理に使ったりサラダに使います。

米料理

コシャリ

イスラム圏の方々も米をよく食べます。ただ主食とするのは東南アジアやバングラデシュなどだけで、パキスタンから西の国々ではパンが主食。米はどちらかというと、「おかず」の扱いです。

また日本のように何も味付けせずに米を炊くのはインドネシアやバングラデシュくらい。中東では塩を入れたり、ターメリックで色付けしたりします。

パン

エジプトのパン 

アジアの人はご飯が主食ですが、中東の人はパンです。主食だけあって、中東のパンは非常においしい。現地のパンは日本のものに比べてかなり歯応えがあります。日本の食パンはふわふわすぎて、少し物足りないかもしれません。

豆料理

インドネシア料理

インドネシアのテンペ

豆もポピュラーな食材です。ひよこまめ、レンズ豆などです。インドネシアにはテンペという大豆を発酵させた食品があります。納豆のように臭みがなく、素朴でクセのない味。フライにしたり甘く煮込んだりして食べます。

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